“推奨力”は雑誌の真骨頂!“大賞”の役目とは日本の美容誌で初めて「ベストコスメ」を実施した『VOCE』。「読者ベストコスメ」や「韓国ベストコスメ」もある 3選者の名前も点数も開示忖度なしのランキングCEVOVOCE』の読者は美容1 9日9本8初年のに美創容刊雑し誌た『として』。日本ABC協会が発表した「雑誌発行社レポート」によると、2022年下半期(7月〜12月)の雑誌販売部数が「美容誌部門(女性ビューティ・コスメ誌が1位に。月刊平均販売部部門)」において販売部数数は9万6 331部・前年比174・8%と、苦戦する雑誌が多い中、絶好調だ。 そんな『VOCE』のアワード企画が「ベストコスメ」である。1月〜6月発売のコスメが対象の「上半期ベストコスメ」、7月〜12月発売が対象の「下半期ベストコスメ」、さらに上半期・下半期の1位を集めて新たに投票し直す「年間ベストコスメ」の計3回が1年のうちに行われる。 「とくに反響があるのは上半期と下半期の『ベストコスメ』です。読者にヒアリングすると、1回のアワードで3〜4品、受賞した商品を購入しているとのこと。また、発表を境に、受賞した商品の売れ行きが2〜3倍に伸びたという声をメーカーの方からいただくこともあります」 と編集長の遠藤友子氏。その影響力の大きさは、やはり雑誌の信頼度の高さに他ならない。来年の8月号で「ベストコスメ」は20年目になるが、選定基準は当初から徹底している。まずひとつめは選者だ。 「『感度の高い人がほとんど。従って、選者は読者を納得させるだけの知識を持っている必要があります。例えば、そのブランドが今まで何を主に研究を重ねてきたかといった歴史。どのような技術進化により、以前と何が変わったのか語れる方でないと、なぜ今その商品をすすめるのか説得力がありません」(遠藤氏) その結果、選者は美容業界を熟知しているビューティジャーナリスト、ビューティのスペシャリスト、医師、ビューティエディター、ビューティライターとメンバーが必然的に絞られ、そこに『VOCE』編集部員が加わる。 ふたつめの選定基準、ノミネート商品は、上半期、下半期、それぞれの期間に発売された限定品を除く新商品を取り寄せてリスト化する。大手化粧品会社のブランドはもちろん、デビュー間もないブランドや知る人ぞ知るブランドなど、すべての新商品が対象だ。その点数は約2000点にのぼるという。それをリスト化して選者に渡し、投票によって決める。 「選者の方に必ずお伝えしているのが、評価の際にご自分の好みで選ばないでほしいということ。主役である読者とコスメに向き合い、寄り添っていきたい、本当に役に立つ情報をお届けしたいという想いからです」(遠藤氏) 『VOCE』では、旬の顔になれる色を読者が見極めやすくするため、口紅やチーク、アイシャドウなど、メイク部門にいたっては色番まで選んで投票するのが特徴だ。この部門に関しては、その年に活躍しているヘア&メイクアップアーティストも選者に加わり、総勢60名以上で選出する。選定基準だけでなく、誰が何点入れたか誌面で公表することも初回から徹底して続けている。 「何かに忖度したりするこ文/中木 純講談社『VOCE』編集長遠藤友子氏情報過多の昨今、何かを欲しても自分にとって最適なものが何か、見つけるのは至難の業。その指南役になるのが、様々な雑誌が総力をかけて実施しているアワード、大賞です。大賞を受賞することで活用できる“大賞ロゴ”は雑誌ブランドによる信頼のお墨付き。数あるサービスの中から、おすすめを読者に伝えることは、本来の雑誌の役割のひとつであり、雑誌というメディア特性の原点かもしれません。雑誌ならではの強みを生かして進化する“大賞”の今に迫ります。ベストコスメ大賞『VOCE』講談社
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