コロナ禍の翳りを経て読者の声をより反映読者コミュニティ「VOCEアンバリアルイベントも定期的に開催サダー」ではオンラインだけでなく、ると思います。ですから私たちが責任と自信を持ってすすめられるものを本気で選んでいます」(遠藤氏) 人気絶大な「ベストコスメ」企画だが、掲載号ですら部数がでない時期があったという。それはコロナ禍に入ってすぐ後のことだ。マスク生活と外出が減ったこともあるのか、これまでの企画をなぞるだけではうけなくなってしまった。そこで、雑誌は読者がほしい情報を届けることに尽きると考え、編集長自身が毎週読者とミーティングするようになったという。 「生の声を聞くと、長引くマスク生活で読者世代にはそこまで需要がないと思われていたハリケアに高い興味を示すなど、新しい発見が多々ありました」(遠藤氏)以来、今まで以上に読者ファーストで企画を考え、つねに誰かの存在をもとに構成をシフトしていくことで部数は回復し、さらに伸ばしていった。 「いつか『ベストコスメ』を受賞したアイテムと読者をつなぐようなリアルイベントを開催したいですね。受賞コスメをどう使えば、その人がよりキレイになれるかレクチャーするようなイベントができたらと考えています。 4 「もともと、料理はだしを取るところから、掃除は重たファッション&ライフスタイルマガジン『LEE番の人気企画のひとつが年に一度の「ハピ家事大賞」だ。曹を使って、といった具合に、ていねいかつナチュラルな暮らしが長年読者に支 * * 今年、創刊40周年を迎え』。定となく、誠実であるための工夫です。選者にとっても背負うものが大きくなりますが、その分だけ読者からの信頼度は高まると考えています。 コスメ選びは本当に難しく、SNSでは情報があふれかえり、何が本当に正しいのかがわかりにくい。しかも薬機法による制約もあって、商品のよさがメーカー発信の情報だけでは伝わらないこともあります。そこで求められるのが美容専門誌ではないでしょうか。美容に関する専門知識を持つジャーナリストもしくはライターや、日々多くのメイク製品に触れるプロが何をすすめるのか。そうした情報は商品選びの指針にな 少し今っぽくなりたいとか、新鮮な気持ちになりたいというきっかけになるのが化粧品。そのためにはどれがいいのか、その人に合うのかという情報を提供することが『ベストコスメ』の役目。平坦な日常がちょっと変わるお手伝いができればと思います」(遠藤氏) *持されていました。そこに、2010年に当時の編集長がもう少し家族を意識した要素を加えたいとのことで、〝ハッピーファミリー(ハピファミ)〟というキーワードを取り入れたと聞いています」 と副編集長の田中祥子氏。そして調理ソースなど料理の手間を省くアイテムを紹介する〝ハピうま〟、使い捨てシートなどを使って手軽に掃除する〝ハピ家事〟といった今までにはなかった集英社1位を受賞したブランドには編集長が連絡し、トロフィーを届ける。雑誌発売日まで結果は一切もらさないことを初回から徹底しているコスメが主役のため、1位の製品は大きく、かつ背景に余計な装飾を入れない写真で紹介。目を止めて読みたくなるインパクトある誌面だ『LEE』副編集長田中祥子氏ハピ家事大賞集英社『LEE』
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