雑誌広告2024_07
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品ブランドはお客様に買うこと、所有することも含めてわくわくする要素を提供することが必要で、五感に訴えかけることが大切です。それはデジタルだけでは完結しないという気がしています。 また雑誌広告のもう一つのメリットは、各誌とも付録をつけて展開していることです。化粧品は実際に試してみなければわからないものですが、メーカーにとって初めての製品を手に取って使ってもらうのはなかなか大変です。サンプル配布も店頭や通販カタログの同梱、イベントなど様々な施策はありますが、必ずしも全員が化粧品に興味があるわけではありません。その点、雑誌の付録は、そもそも化粧品に興味がある人が接するメディアについているものなので、確実にターゲット層に実際に製品を試してもらうことができます。その反響は大きく、付録を使ったという声を店頭で聞きますし、SNSに書き込まれてバズったり、ホームページのUU数やECサイトのビジットが増えることもあります。さらに、編集部のプロの目を通って、これは読者の人に使ってもらいたい、届けたい情報だから付録になっているのだろうなという安心感がありますので、マーケティングの手法としても非常に有効だと思っています。 消費財メーカーにとって広告は欠かせないものです。私自身もそうですが今はスマホで日々情報を取りますし、特にSNSは手軽な情報収集ツールです。でも自分が何かを購入する際は年代を問わずインスタやTikTokの情報だけでは選ばないし、きちんと調べるのではないでしょうか。雑誌は信頼できる情報を発信するマスメディアとしての役割を担っていると思います。編集のプロの目で見て、情報を咀嚼して、分析して評価を出す。特に化粧品という分野の広告では、今後も雑誌というメディアは選択肢の中に入ってくると思います。CASE株式会社オフィスN2代表取締役コミュニケーションプランナー中原 奈都子氏インタビュー: 四方田 隆2 私の業務内容は、外資及び日本の化粧品や消費財などBtoCブランドのブランディングやCSR(企業の社会的責任)に関するコミュニケーションコンサルティングですのでデジタルを含め雑誌などのメディアプランニングは重要要素となっています。 化粧品の雑誌広告では、ブランドのイメージ訴求を目的とすることもあり、従来より純広が活用されていますが、実際に自分が使用した時の感覚、例えばフレグランスの香りまでわかるように表現しようとすると、編集部のクリエイティブを活用する編集タイアップ広告がとても有効です。与件にあわせて様々なメディアを検討しますが、化粧品においては『美的』『VOCE』『MAQUIA』『美ST』『& ROSY』といった美容誌はファーストチョイスになってきます。こうした雑誌の良さは、しっかり読者に見える、しかも読者がそこに留まっていることです。 WEBメディアの場合ではPVやUUがいくつという数字データのボリュームが重要なKPIになっています。情報という大きな流れの中で如何に多くの消費者に触れているかは大切ですが、一方でその数字からはその人がどういう見方をしたかというのはあまり見えてきません。 紙メディアの場合には発行部数が指標となりますが、例えば月刊誌を購入した日にパラパラ読んで一度見てすぐ捨てる人はいないでしょう。また病院や美容院、カフェなどで偶然誌面に触れる人もいるでしょう。だから雑誌広告には、一つの情報が一定期間、何となく留まって無意識の間に刷り込まれる利点があるのではないかと思います。雑誌には、スピードと圧倒的な情報量のデジタルにはない魅力として、こういう時代だからこそ、留まるメディアとしての価値があります。 しかも、化粧品という商材はパッケージデザインやメイクアップの色合いなどのクリエイティブにこだわりがあり、そこに商品価値が存在します。もちろんデジタルでも綺麗に色合いが表現できるようにはなったのですが、やはり紙の出版物が醸し出す色の美しさは、数値化できなくとも、接する人の五感に訴えるものがあると思います。化粧品、特に香水やメイクアップ製品などは絶対になくてはならないものではなく、嗜好品です。化粧plus24雑誌には、五感に訴え留まるメディアとしての価値がある最前線最前線最前線最前線最前線+++++

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