雑誌広告2024_07
3/8

異業種のⅠビイノジベネースシモョデンルのが源泉にⅡ成サブ長スしク続リけプるション拡大するサブスクリプション-i13ice コスト圧力は増大し、売上数の低下で利益を出せない。そのような閉塞感のある現代において、企業は儲ける仕組みである「ビジネスモデル」そのものを変革することが求められている。ただし、プロダクトやサービスを劇的に進化させる以上に、事業の仕組みを変革することは難しい。これまでの個別企業の事情や業界慣行を打ち崩す、ある種の非常識さが必要となるからだ。そこで多くの企業は、一から新たなビジネスモデルを作り上げるのではなく、自社とは異なる業界で採用され、すでに一定程度成功している仕組みを自社に取り込み、イノベーションを起こす。それは、GAFAMなど欧米のデジタル企業も例外ではない。 このような事象を観察するうえで、サブスクリプションは絶好のビジネスモデルだ。 サブスクリプションは、世界中の多くの企業で採用され、いまやユーザーにとってはなくてはならない存在になっている。その安定的かつ成長力のある収益期待から、サブスクリプションを活用する企業は株式時価総額においてもかなり高い水準を誇る。サブスクリプションはデジタルビジネスのみならず、ものづくりやもの売りの領域においても、事業形態のバリエーシshware as a Servョンのひとつとして常識になりつつある。 グローバルに見ても、サブスクリプションは近年、すべての業界においてもはルやクラウド領域でのさまざまな新興サービスであり、なかでもその中心的存在が1999年に設立されたセールスフォース・ドットコム(現セールスフォース)だ。顧客関係管理のいわゆるCRM(Customer Relation ービスをクラウドで提供したのが始まりだ。当時はどの企業もDVDROMなどのパッケージを数十万から数百万円といった高額で販売していたが、セールスフォースは違っていた。「ノーソフトウェア」を自社の特徴として掲げ、クラウド上でアプリケーションを利用可能とする〝SaaS(So p Management)のサft)〟というビジネスモデルをいち早く展開し、サービスを提供した。 そのサービスに最も適した課金形態がサブスクリプションであった。ユーザーが月額あたり少額の会費を支払うことで、アプリケーションを使い放題にできるサービスとして提供した。サービスを使用する限り、顧客は支払い続ける必要があるものの、毎月その支払額を上回るベネフィットがあれば顧客はユーザーとして残ってくれる。そのため、サービスのアップデートはもちろん、アプリケーションでは解決できないこともサポートしてくれるバックアップ体制が顧客との関係性を作るうえで重要な要素となった。それらは「カスタマーサクセス(顧客成功)」という概念へと昇華した※。顧客が解決するべき課題に企業が寄り添う姿勢を見せることで、同社は大きく成長し、それがのちのSaaSやサブスクリプションの好イメージを作り上げたといっても過言ではない。 その後、サブスクリプシサブスクリプションは、世界中でも多くの企業で採用され、いまやユーザーにとってはなくてはならないビジネスモデルのひとつだ。しかし2010年代にデジタル領域で一気に拡大したようにみえるこの収益化の方法は、実は古くからメディア業界において活用されてきたものである。ある業界では古くから当たり前のごとく運用されていた仕組みが、ひとたび他の業界に持ち込まれてみれば、新たなビジネスモデルとして転用され開花する。その事例を、メディア業界を中心に明らかにしていこう。※1 カスタマーサクセスはサブスクリプションビジネスのみならず、すべての組織にとって顧客関係を継続するための概念となっている や嚆こう常矢しと識なとなったっのていはる、デ。ジそのタ川上昌直兵庫県立大学 国際商経学部 教授ロンドン大学SOAS 特別招聘教授 博士(経営学)2001年福島大学助教授を経て2012年に兵庫県立大学教授。専門はビジネスモデル、マネタイズ。「現場で使えるビジネスモデル」を体系づけ、実際の企業のプロジェクトに関与して「臨床」までを行う実践派の経営学者。初の単独著書『ビジネスモデルのグランドデザイン』(中央経済社)が第41回日本公認会計士協会学術賞-MCS賞を受賞。他の著書に『ビジネスモデル思考法』(ダイヤモンド社)、『つながりの創りかた』『収益多様化の戦略』(以上、東洋経済新報社)など多数。現在はロンドンと日本を往復しながら、アートマインドを中心とするビジネスモデルの新たな改革方法を構築している。国際委員会レポートメディア発ビジネスモデルがもつイノベーションのインパクト

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る